カウンター


プロフィール

かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

リンクは嬉しいので、ご自由にどうぞ♪


当ブログ拍手頁

最新の公開拍手コメのレスはこちら それ以前の公開拍手コメ&レスは、各記事の拍手ボタンを再度押していただければ読めます 鍵拍手コメにつきましては、拍手をいただいた記事下コメント欄にレスを書いております

所属してます♪


月別アーカイブ


最新記事


最新コメント


検索フォーム


 
※清水先生の作品とは、関係ございません。
※また、実在の人物や団体とも、一切関係ございません。

こちらは、とある文学作品が元になっております。
オリジナルな解釈やエピソードも加えておりますが、元の作品を愛好する方には、ご容赦いただけますよう。
また、薪さんがそんな!・・とか、青木の性格設定も・・とか、それぞれのファンのご不興を買うかも。
すずまきすとにとっても微妙かもしれないし、おかまきすとからも不満が出るかも、小池や今井さんや雪子のファンからもひんしゅくが・・と考えていくと、じゃあ、どなたにご満足いただけるのかと、頭を抱えてしまいます。

どうか別世界と受け止めて、通り過ぎていただければ幸いです。

また、直接的表現は出て参りませんが、大人の町が舞台です。
閲覧にご注意下さいませ。

全11話です。



オリジナルストーリー

「夢うつつ」



第一話:花町




そうそう、ここだよ。

ここら一帯は、花町(はなまち)だったんだ。
男達に夢を見せるところだったんだよ。

こちらの通りは、一見さんは入れないような、敷居の高い店もあってねえ。
この角にあった山の井なんて、ひところは、そりゃあ繁盛したって話だ。
今はもう、跡形も残ってないがね。
茶屋の名前ぐらい聞いたことは無いかい?

・・そうかい。
もう、そんな時代になっちまったかねえ。
山の井には、評判の色子が居たんだよ。

この町の者で、その名を知らぬ者は居なかった・・この花町が賑やかだった頃を語るに、欠かせない花だったんだ。

今となっちゃあ、もう、本当にそんな時代があったのか。
確かめる術も無いがねえ・・・



************



「今井さん? 今井さんじゃないですか? 寄ってって下さいよ。・・そんな愛想笑いで。素通りして、今夜は二葉屋ですか? 本当に風呂屋かどうか怪しいもんだ。本当なら、帰りに寄って下さいよ」

店の角に立つ男が、両手を懐手にして言う。
対して、声を掛けられた、いかにも金のありそうな、上質の着物を着た男は、言い訳をしながら、「後でな」と行き過ぎる。

立っていた男は、相手の背中を見送ると、小さく舌打ちをして、言う。
「後でも無いもんだ。来る気も無い癖に。女房持ちになったら、途端に冷たくなりやがった」
店の敷居をまたぎながら、独り言のようにつぶやく男に、中から声を掛ける者が居た。

「小池。愚痴を言うな。所詮、その程度の男だったってことだ。あいつがお前に未練があれば、また戻ってくることもある。無ければ、また新しい男を誘い込めばいい」

相手の言葉に、小池は、両の手の平を上げて見せた。
「オレは、薪さんとは違いますからね。そう簡単に新しい男を馴染みには出来ませんよ」

それから小池は、店先にドカリと座ると、懐から、きせるを取り出し、傍らの火鉢で火を付けた。
着流しに、役者のような派手な色彩の花模様が躍る羽織を引っ掛けた姿で、煙草を吹かす。

並んで座っているのは、薪と呼ばれた男。
もちろん本名ではない。
仕事をする為の、通り名だ。

小池の口調から察するに、仕事の上では、薪の方が先輩なのだろう。
だが、年齢は、薪の方が遥かに若く見える。
青年とも、少年とも呼べそうな風情なのは、その、男とは思えぬ程の、極端に華奢な身体付きのせいだろうか。

首元まで伸びた、真っ直ぐな髪。
洗ったままでありながら、まるで油を付けたかのように艶めいているその髪は、黒ではなく、淡い茶色だ。
それに、この仕事をするには、女のように化粧をするのが常だが、薪は、そういう物を好まなかった。
だが、白粉などをはたかなくても、薪の肌は、透き通るように真っ白だった。

その肌の白さと、髪の色。
すっきりと通った鼻筋に、人を射抜くような大きな瞳。
その瞳を縁取る睫毛の豊かさと、ふっくらとした唇。

その全てが、異国からはるばる海を越えてきた人形のようで。
薪には、異人の血が混じっているのではないか。
そう、彼を知る皆がささやいた。

薪は、上には何も羽織らず、薄紫の着流し一枚を身に着けていた。
その胸元は大きくはだけ、袴も足袋も付けぬその脚を、片方だけ膝立てて。
腰に結んだ白い帯が、かろうじて、その身体をそれ以上露わにせぬよう、役目を果たしていた。

ひと目見れば、この薪という男の仕事が何か、分かろうものかという姿だった。

小池は、きせるを口から離すと、ちらりと薪を見やり、言った。
「薪さん、さっきの手紙は、結局、出したんですか?」

ピクリと、薪の肩がこわばる。
「・・手紙?」
表情は変えずに、ただ、小池の言葉を繰り返した。

「巻紙に、随分長いこと、したためていた・・あれは、出さなかったんですか?」
「まあ、馴染みだったからな。また声を掛けておいても、損は無いと思ったが・・今更、どうとなるものでもない」
「そうでしょうか。薪さんの出方一つで、どうにでもなるんじゃ・・」
「小池」

相手の話をさえぎり、薪は、ぴしゃりと言った。
「僕のやり方に、口を出すな。あいつはもう、僕とは縁が切れたんだ。ただ、それだけのことだ」

静かに、だが確かに強い口調でそう言う薪に、小池は、怯えたように肩をすくめ。
「勘弁して下さい・・!」
慌てたそぶりで、そう言った。

落ち着かない仕草で、再び、きせるを口にくわえる小池。

店の向こうには、人通り。
寄っていきなよという、人の声。
賑やかさを増していく、夕暮れの町。

めかし込んだ、女達の声が響く通りとは、一本ずれた通りに。
陰間茶屋と呼ばれる店が軒を連ねる、一角があった。
男に身体を売る、少年や青年達が集う場所である。

元々は、役者を目指す若い男達が、客を引いていたこともあり、同じ遊郭でも、女達の店よりも、一般に値の張る所が多く、庶民には馴染みの薄い物であった。
だが、金のある商人や士族といった客にとっては、知る人ぞ知る、高尚な遊び場だった。

中でも、この「山の井」は、特異な店だった。
それまで、色子と言えば、女形のような着物を着て、化粧をした少年達がお決まりだったところに、化粧もせず、着流し姿のままで、売れる男達を揃えたのだ。

「山の井」がそうなったきっかけは、薪が、この茶屋に入ったことだった。
薪の存在は、着飾らずとも、ひと目で人を引き付け、勝負出来るものなのだと、世間に知らしめたのだ。

薪は、この店の一枚看板だった。
既に年は、この店の男達を従える程になったものの、とてもそうは見えなかった。
若さは一向に衰えず、むしろ、益々強まる色気は、後輩達を圧倒した。

客達を惹き付けるのは、その容姿だけではなかった。
薪は、多くの遊女や色子がするように、客に愛想を振り撒いたり、見え透いた世辞を言うことは、無かった。
むしろ、馴染みの客にさえ、気まぐれで我が侭な態度を取った。
それがかえって、遊び慣れた客達をも、とりこにしていったのだ。

薪の尊大な態度は、時に、後輩達や、店の使用人達の不興を買うこともあった。
だが、よく付き合ってみると、ふと、その優しさが漏れることもあり。
それがまた、客以外の男達をも、味方に付けていくのだった。

この界隈で、「山の井」の薪を、知らぬ者は居ない。
多くの客が薪を求め、色子の多くが、薪に憧れた。

日はすっかり傾き、人の流れがやや途切れた時分に、小池は、再び話し出す。
「薪さん。余計なことだとは思いますが、オレは・・青木のことが気に掛かるんですよ」

小池の口から出たその名に、薪は、やや目を見開く。
だが、やはりそれ以上、表情は変わらない。

小池が、話を続ける。
「確かに、あれだけ落ちぶれてしまえば、客とは言えませんがね。オレの男は、女房が出来たら、すっかり心変わりしちまいましたけど。青木の場合は、そんなんじゃなかったんじゃないですか? 女房があろうが、子があろうが。薪さんとあいつは・・・」

薪は、床の上にすっくと立ち上がった。

「気を付けろ」
薪は言う。

「店先で、そんな話をするな。山の井の薪が、あんな落ちぶれた男を相手にしていると、世間に勘違いされたらたまったものじゃない。昔の話だ。もう二度と・・あいつの話はするな」

言い終えると、薪は顔を上げ、店先に目をやる。
二人の男達が、店ののれんをくぐるところだった。
彼らはいずれも、この店の常連客だ。
小池も、きせるを脇に置きやり、土間に立つ。

男達が足を踏み入れると、薪は、出し抜けに言った。
「旦那方、今日は、大層ついているようだ」

何事かと顔を上げる客に、薪は言い放つ。
「今夜はまだ、この山の井の薪の身が空いている」

その言葉に驚き、思わず振り返ったのは、小池だった。
土間に並び立つ、小池と客、三人の男達を前に、一人、床の上で腕を組んで斜めに立ち、彼らを見下ろす薪。
揺らめく着物の裾の間から見えるのは、露わになった白い脚。

客達は、互いに目配せし、意味ありげに笑い合う。
客の気配に、店の者達が次々と顔を出し、客を奥の座敷へと連れて行った。






関連記事

コメント

■ 鍵拍手コメ下さったMさま

○2/15に鍵拍手コメント下さったMさま

コメントありがとうございます。
早速お読み下さって、とても嬉しく思います(*^^*)

お忙しい中、メールもいただいて・・嬉しく拝見致しました。
区切りが付いたら返信させていただきますね。
どうもありがとうございました。

■ 鍵拍手コメ下さったCさま

○2/16に鍵拍手コメント下さったCさま

コメントありがとうございました。

ははは・・はい・・そういう設定ですね、すみません・・(←小さくなっております)

そして・・
小池や今井さんに対してのコメントには、失礼ながら、大ウケしてしまいました!(つ▽;)

そうですね・・小池、売れるんでしょうか? ええ、きっと売れるんですよ(笑)
そして今井さん・・すみませーーーーーーんっ!!m(_ _)m
お読みになる皆様に対しても、そして今井さんに対しても、申し訳ないですね(・・小池には?)
「想像しちゃいけない」と言いながら、浮かんでしまいますか・・・(笑・笑)

ええ、客より偉そうですね。
いえ、「偉そう」ではなく、実際「偉い」んでしょう。
この場合、薪さんの方が選べる立場にあるのではないかと(^^)

■ 鍵拍手コメ下さったAさま

○2/16に鍵拍手コメント下さったAさま

コメントありがとうございます。

吹いてしまいましたか☆
とりあえず、いただいたコメのお顔が笑顔「(^▽^;)」マークだったので、お怒りは買っていないらしいと、それだけは安心致しました。
もう、この辺りは、笑って流していただけるのでしたら、それが一番ありがたいです。

身を売るという設定は・・気分のいいものではありませんよね。
申し訳なく思います。

それでも、楽しみとおっしゃっていただき、恐縮です。
最後まで楽しんでいただけるかどうか、不安は多々ございますが・・薪さんへの愛を込めて、青木へのエールを込めて、大切に書いて参りたいと思います。

■ 鍵拍手コメ下さったMさま

○2/16に鍵拍手コメント下さったMさま

コメントありがとうございました。

早速お越し下さって、ありがとうございます!
そうなんです、例のアレ、書き始めました(^^)
とにかく、まずは「秘密」レビューを書き上げなければと、自分でプレッシャーを掛けていたのですが、全く進まないので、この際レビューは諦めて、創作に走ることに致しました。
ほぼ元ネタに沿った形にはなっていくのですが・・やはり、薪さんはもちろん、青木や鈴木さん等、思い入れのあるキャラ達は、勝手に動いてしまう部分もありますね(^^;)

ネタバレにまで、お気遣いありがとうございます。
約10話、メロディ発売前に書き上げたいと思っております。

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

■この記事のトラックバックURL

⇒ http://kanon23.blog36.fc2.com/tb.php/838-df81db08

この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

■この記事へのトラックバック

 | BLOG TOP |