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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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「『秘密』は、青木の成長物語」
そう、清水先生はおっしゃった。

この言葉に、違和感を持つ読者も、少なからず居るだろう。

もし、「秘密」という作品を、まだ読んでいない人に説明するとしたら、おそらく誰もが「薪さんという警視正が主人公で・・」と、言うに違いない。
「秘密」の表紙や口絵だって、青木とツーショットのこともあるとは言え、正面を飾るのは、必ずそこにあるのは、薪さんの姿だ。

ストーリーを見渡しても、これは、青木の成長物語と言うより、むしろ、薪さんの苦悩と救済の物語のように見える。

秘密の主人公は薪さんであり、薪さんの物語が軸となっているとしたら。
青木の役割は、何だろう。

「薪さん」という人物を描く為に必要な脇役、語り部的な存在でしか、ないのだろうか・・・?



最初に、薪さんに青木が惹かれたのは。
ハッキリ言ってしまえば、薪さんが、青木にとって「好みのタイプ」だったからではないか。
私はそう思っている。
かなり・・軽い言い方になってしまうけれど。

青木は、美人で強い人に憧れ、そんな人が時折見せる、優しさや脆さを敏感に察して、それを、守ってやりたいと思ってしまう性格なのだろう。
その点で、薪さんは、いわゆる「ドストライク、直球ど真ん中!」なタイプだったのだ。

何故、そんな人がタイプかと言うと、それは、弟気質と言うか、跡取り体質と言うか。

亡くなってしまった和歌子お姉さん。
綺麗で優しい彼女は、きっと、弟である青木の面倒を、よく見たことだろう。
けれど、女性なので、弱い部分もある。
青木のお母さんも、厳しくも、脆いところがある人のようだし。

青木は、末っ子として、母や姉に甘えながらも、自分は男なんだから、女性である母や姉を守れるようにならねば・・とも思いつつ育った。
必然的に、綺麗で強くて優しくて、自分を正しい方向に導いてくれ、同時に自分の能力を認めてもくれる、そして、守りたい、役に立ちたいという思いも満たされる・・そんな薪さんのような人に、惹かれることになったのだろう。

最初の事件で、薪さんの優秀さと脆さを、同時に見せられた青木は。
この時点で、既に、薪さんに落ちたと言ってもいいだろう。
そして、いくつもの事件を共に捜査していくうちに、薪さんの深い思いやりや正義感にも触れ、益々薪さんに惹かれていった。

チャッピー事件の頃には、そんな薪さんを支えたい、守りたい・・そんな言葉さえ、胸中をよぎった。

「必ずオレが後ろについて支えますから」

だが。
今になって、思う。

この時の青木は。
まだ、そんなことを言えるような、薪さんを支えられるような、そんな人間ではなかったのだ。

その後の展開を見るにつけ。
薪さんと青木が、この、チャッピー事件の頃の二人に戻って欲しいと、そう私は願った。
薪さんの指示で、青木が機転を効かせ、二人で事件に立ち向かい、共に捜査していく・・そんな話で良かったのにとすら、思った。

だが、それでは進まない。
何も変わらない。

薪さんは苦悩を抱えたまま、そこから救われることは無い。
青木の真摯な姿に、その都度癒され、感情が解きほぐされることがあったとしても。
本当の解放はあり得ない。

青木だって。
順風満帆な人生を送り、薪さんという素晴らしい上司、支えてくれる先輩達に恵まれ。
捜査の上で、薪さんの役に立てる、そして薪さんの心の支えになれるという、満足感を味わえるとしても。
真の苦悩を味わったことのない青木には、本当に薪さんの支えになることなんて出来ない。

捜査の上では、絶妙のコンビネーションを見せたとしても。
一時的に、共に事件を解決出来た満足感を共有出来たとしても。
それはあくまで、上司と部下という域を出ない。

薪さんは、底知れぬ苦悩を抱えて生きていく人であり。
青木は、幸せを享受する人生を歩んでいく人であり。

二人の道は、全くの別世界。

薪さんは、それで良かったのだろう。
自分とは違う、輝ける道を、青木が歩んでいくことが、眩しく嬉しく思え、それが安らぎにさえなっていた。

青木だって、この状況に満足していた。
薪さんの役に立っていると思え、薪さんの支えにすらなれると思っていた。

二人とも、それで良かったのだ。
そして、一読者の私も、それでいいと思っていた。

けれど、作者は、清水先生は、違った。
このままで終わらせる気なんて、最初から無かった。

何故ならこれは・・・「青木の成長物語」なのだから。

薪さんが雪子に放った、「どう頑張っても自分をとりまく幸せな人生しか想像出来ない」という言葉。
これはそのまま、清水先生が、読者に投げかけた言葉かもしれないと、今は思う。

「毎日死んだ方がましだと思いながら、それでも生き続けなければならない人達の苦痛」
それは、そんな苦痛を味わったことの無い人には、どう頑張っても、分からない。
その暗闇を「想像しようとしない。見ようとすらしない」それが、私も含めて、人間というものなのだ。

深い深い苦悩を抱えた薪さんを、青木は、「必ずオレが後ろについて支えますから」と思った。
「ただでさえ気苦労の多いあの人の足引っ張るわけには・・」そう思い、いつも懸命に頑張ってきた。
薪さんの為なら、規律を無視してまで「上が動かないならオレが助けにいきます」と決意した。

それは、単なる「上司を慕う部下」以上の、青木にとって最大限の、薪さんに対して出来る事、薪さんへの強い想いの表れだった。
だがそれは、あくまで、幸せな人生を送ってきた青木、苦悩を知らない青木にとっての、最大限であって。
薪さんの苦悩を、その一端でも、理解することなど、出来る筈は無かったのだ。

最初の事件で、青木は、自分達のやっている捜査によって、生きている人間を救うことも出来ると知って、晴れ晴れとした思いを味わった。
ハードなMRI画像の洗礼を受けるという苦労はあったものの、まだ、自分がやっていることの、良い面を見ただけだったのだ。

それが、コミック2巻の事件によって、いくつもの苦悩を味わうことになる。

まずは、天地との、取り返しの付かない別れ。
これは、第九に限らず、どこでも起こり得ることだが。

あの時青木は、薪さんを想うあまり、天地の言葉を、おざなりに受け止めた。
仕事に切羽詰まり、相手を怒鳴り付けてしまった。

もし、翌日、何事も無く天地が出勤してきたら。
青木は「昨日は悪かった。イライラしてて、あんな態度を取ってしまって。ごめんな」と、言えた筈。
そして、笑って許し合った筈。
こんなこと、どこの職場でも家庭でも学校でも、どこでもよくある光景だろう。

だが、青木には、そんな時間を取ることは、許されなかった。
天地は、永遠に会えない人になってしまった。

生まれて初めて、女の子に怒鳴ってしまった。
あの状況で、そのこと自体を、責められる人は居ないだろう。
だが・・・その、たった一度、たった一度だけ、女の子を怒鳴り付けてしまったそのことが、天地との最後となる。
もう取り返しは付かない。

二度と・・・・・・。

清水先生が、青木に突き付けたこの事実は、なんて残酷なのだろうと、思った。
だが、青木という人間を成長させる上で、このエピソードは、必然だったのだろう。

どんなに後悔したって、遅い。
やり直せないことだってある。
深く考えずに行なった、ほんのちょっとした言動が、永遠に自分自身を責め続けることもあるのだと。

清水先生は、青木に、分からせたかったのだ。

薪さんだって。
取り返しの付かない出来事を、永遠にやり直せない苦悩を、抱えているのだから。

しかもこれは、青木の苦悩の、まだ、ほんの始まりに過ぎなかった。

続く事件で。
読者は、第九という機関が、世間一般でどう思われているのかを、具体的に知ることになる。
エリート中のエリートが集う、最新鋭の部署。
本来なら、自慢出来そうなその職場が、実は、親戚に言えないような位置にあるのだ。

青木は、田舎の人間がどう反応するかといったことや、親のどこか後ろめたい気持ちも分かっている。
でも同時に、自分のやっていることが、捜査が世の中の役に立っているのだという自負もある。
それは、後に岡部さんが言うように、薪さんが「常に正しい姿勢を示してくれたから」ということも大きいのだが。

自分は、世の中の為、人の為と信じ、懸命に捜査に向かっているのに、親にさえ、それを理解してもらえない辛さ。
実は犯人は別に居ることが分かったのに、自分ではもう過去の事件を検挙出来ない、どうしようもない、はがゆさ。
そして、自分が見ているのは、男女の性交の場面という、人間として、自分がやっていることの是非に対する疑問。

父の死、母の言葉、絹子の言葉・・・様々な物が追い打ちをかけ、青木を苦しめる。

ここで、仕事の詳しい内容も知らないで、何も分かってくれない親だと、反発したり。
自分がやっているのは特捜なんだから、自分の権限の範囲で、決められた捜査さえすればいいのだと、割り切れたり。
それがどんな場面だろうが、捜査の為なのだからと、冷めた視点で見ることが出来たり。

青木が、そんな人間だったら、どれだけ楽だっただろう。
だが青木は、親の気持ちも推し測り、正義を貫きたいという使命感を持ち、何より・・人間として当たり前の良心を持つ人間だったから。

だから、苦悩した。

誰よりも、思いやりと正義感を持つ薪さんだって、様々な苦悩があった。
青木が手掛けるような、一般の事件だけではない。
国家を揺るがすような事件さえ見て、隠ぺいされる事実を、見てきていたのだ。

だから、薪さんは。
悩める青木の気持ちが分かったのだ。
良心を持つ人間だからこそ、真っ直ぐな魂を持つからこそ、MRI捜査の是非に、苦悩するのだと。

そして青木は、また別の殺人事件の捜査という名目を得ることによって、その正義を貫くことに成功する。
様々な痛みを伴いながらも、その痛みの先に、辿り着くことが出来た。

ZIPの見ていた美しい風景は、美し過ぎるゆえに・・・痛々しかった。

こうして青木は。
少しずつ、学んでいく。

自分のやっていることは、何なのか。
何の為にやっているのか。
その先にある物は・・・何なのか。

そして、チャッピー事件で、青木は、一つの結論に辿り着く。
この時の青木の言葉や、それに伴う薪さんの行動に、疑問を呈する声も目にする。
でも私は、この時は、この結論でなければならなかったのだと、思っている。

青木は、言ってしまった。
「香里ちゃんは何も見ていなかった。もう君の『秘密』が暴かれることはない。誰も知らない」
と・・・・・・。

この言葉を、安易だと言う人も居るだろう。
もし、薪さんが証拠を改ざんしなかったら、青木の嘘は、やがて佳人少年に知られる。
その時、どれだけ少年は傷付くか、青木は考えもしなかったのだろうかと。
佳人少年の心を守り、自殺を止める為に、青木は、責任も取れないことを、軽々しく口にした、自己満足ではないか・・・と。

結局は、薪さんが、証拠を改ざんするという形になった。
確かに、その部分の映像が無くても、審判を左右することは無かったのだろう。
だが、証拠とは、そういうものではない。
全てをそのまま洗いざらい提出することが、捜査官としては、大前提の筈である。

何故、そんなことをしたのか。
薪さんは、多くは語らない。
ただ、「おまえが佳人にそう言ったんだぞ。はじめから、誰も見ていない、誰も知らない、香里が目をつぶっていたと」とだけ。

この薪さんの行動も、批判の対象になると思う。
警察の人間として、あるまじきことをしたと。

でも私は、この薪さんの行動で、完全に薪さんに落ちた。
私が薪さんに惚れたのは、まさしく、この瞬間だったのだ。

結局は薪さんが、青木の言動の尻拭いをすることになる、青木は、薪さんの支えになりたいと言いながら、かえって、面倒事を引き起こして、薪さんに責任を負わせているという批判も、当然出るだろう。

でも、薪さんは、上司として、軽率な部下の言動の責任を負う為に、証拠を改ざんした・・というわけではない。
青木の少年に対する気持ちを思いやって、仕方なく・・ということでもないと思う。

薪さんは。
青木が少年に思わず叫んだ、その気持ちに、共鳴したのだ。
第九の捜査官として、警察機関のルールを守ることよりも、優先すべきことは、何か。
何の為に、自分達は、人の秘密を侵害する、モラルが問われる、MRI捜査をしているのか。

それは、一年後、薪さんが滝沢の脳を撃った、その行動にも繋がる。
「第九の室長として絶対にしてはいけないこと」が、実は、人として「正しい姿」なのかもしれないのだ。

青木は、佳人少年を目の前にして、それを実行した。
後先考えず、軽率かもしれないけれど、それでも、「人として」信じる行動に出たのだ。
これは、青木にとって、MRI捜査に向かう人間として、そして、一人の人として、辿り着いた、一つの結論だと思う。
青木自身は、無意識かもしれないが。

そして、ウィルス事件で、青木は更なる段階を踏むことになる。
今度は、これまでの、その他大勢の事件ではない。
青木にとって、天地以来の、ごく身近な人間・・惚れた女性が巻き込まれた事件だ。

その前に、青木は、姪と対面する。
青木曰く、「同じDNAが流れてる、全く無防備な存在」である舞ちゃんを、青木は、何をしても、何としてでも守らねばと思った。
大人である自分達が、この子が安心して暮らせるよう、犯罪の無い社会を作ってあげねばと。

それはつまり、青木の立場にしてみれば、第九での捜査に、更にまい進するということだ。
自分の信じる捜査を、自分の信じる薪さんのもとで、これまで以上に頑張っていこう・・・疑問を覚えることなく、ストレートに、そう思ったのだろう。

まさかその、「この子を守る為に」行なっているつもりだったMRI捜査によって、この子の両親が奪われることになろうとは、全く予想もせずに・・・・・・。

姪だってこんなに愛しいのだから、自分の子供は、もっと大切に違いない。
そうやって大切に育てられてきた命が奪われるなんて、許せない。
更には、好きになった女性まで感染し、死んでしまうかもしれないという状況になって、青木は、何としてでも犯人を捕まえたいと思う。

この暴走を、またしても青木は、薪さんにフォローしてもらうことになるのだが・・・。

これは、雪子を登場させる為の回だったのかと、この時は思ったが。
実は、青木の姉や舞ちゃんを登場させる為の回だったのではと、今は思う。

血の繋がった赤ん坊の誕生。
好きになった女性が死にかけるという出来事。

薪さんしか見えていなかった青木に。
他にも、「守りたい」というものが登場した。
守りたい者が複数になったことで、青木は、その後、迷走することになる。


※全部で3つの記事になります。






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コメント

■ 鍵拍手コメ下さったAさま

〇6/15に鍵拍手コメント下さったAさま

コメントありがとうございます。

え!?
清水先生、そんな答え方をされていたのですか?(@@)

私は、清水先生が「青木の成長物語」とハッキリおっしゃっていた記事を読んで、清水先生は、そういうお気持ちで描いてらっしゃるという前提で、こちらの記事を書いているのですが。
描き進めている間に、清水先生の中で視点が変わってきたということでしょうか・・・そうなると、こちらの記事の大前提が崩されてしまい、非常に困るのですが(笑)

これまで私は、「秘密」を、薪さんの気持ちを追って見てきたことが多いのですが。
青木の側から追い直すと、新たに見えてくる物があって。
そうか・・これまで私は、清水先生の意図が見えなくて苦しむことも多かったけれど、「青木の成長物語」という視点で見れば、清水先生の意図にブレは無かったのか・・なんて思ったんですね。

ところが、肝心の清水先生がそんな発言をしてらっしゃるとなると、「ブレは無かった」どころか、「大ブレ」ということに・・・(T▽T)

まあでも、自分の持っていた情報の範囲で、考え、書きたいと思ったテーマなので。
このまま、最後まで書いてしまうことに致します(^^;)

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