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かのん

Author:かのん
薪さんと同身長が自慢です

基本、「薪さんと鈴木さんは精神的両想いだった」「薪さんと青木には、心身共に結ばれてほしい」という、偏った視点で書いております
創作も主に、薪さんが「青木と幸せになる未来」と、「鈴木さんと幸せだった過去」で構成されております

コメ、拍手コメ共に、過去記事にも遠慮なく投稿いただけたらと思います
レスは「コメをいただいた翌々日までにお返しする」ことを自分に課しておりますが、諸事情により遅れる場合もございます
でも必ず書かせていただきますので
ご了承下さいませm(_ _)m

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※清水先生の作品とは、関係ございません。

※オリジナルな名前が出て参りますが、複数の姓名リストから組み合わせた物であり、実在の人物とは関係ございません。
また、実在の事件・団体等も、一切関係ございません。


全10話です。


オリジナルストーリー

「鎮魂」





画面を凝視し、束の間、沈黙していたが。

「車を出せ!」
そう叫んで、足早に歩き出した。

「え!? 一体、どういう──!?」

周囲の声も、耳には入らない。
今、考えられることは、たった一つだった。

すぐに行かねば。
一刻も早くそこに辿り着かねば、彼は・・・・・・




Scene1:奇跡




少年は、窓の外を見つめていた。
居たたまれなかった。

相手の顔を見ることが・・・辛かった。

「蓮、こっちを向けよ」
『れん』と呼ばれた、窓際に立つ少年は、室内を振り返る。
視線の先には、ベッドに横たわる少年。
蓮を見つめ、微笑んでいる。

18になる蓮と同じ年だというのに、相手は、もっとずっと幼く見える。
細身の両親から受け継いだDNAと、病気の為に療養をしているという環境が、彼を華奢な体に仕立て上げている。
ベッドの頭上に当たる壁には、名札が貼ってあり、桐生逸人と書かれ、「きりゅう はやと」と振り仮名がふられていた。

「逸人、オレは・・・」
蓮は言い掛けて、口をつぐんだ。
更に、唇を噛み締め、うなだれる。

「・・・・・・」
その様子をじっと見ていた逸人が、ベッドに横になり、顔だけを相手に向けたまま、話し出した。

「僕は・・・たぶんもう、長くないんだろうな」
「っ・・! そんなこと、言うな!」
すかさず、蓮が叫んだ。

「治癒出来る可能性だって有るって、医者だって言ってんだろ? お前がそんなこと言って、どうするんだ!」
「手術すればって事か? それだって、たった8%の確立だ。奇跡でも起きなきゃ無理だ」

「数字は関係無い。それが奇跡なら、奇跡は必ず起こる・・・。すぐに良くなる。みんな待ってるぜ。お前が居なきゃ・・・」
「よせよ。誰が待ってるって言うんだ?」
「・・・!」
逸人に遮られ、蓮は、その先の言葉を失った。

「奇跡か・・・」
逸人は、つぶやいた。
視線は蓮を通り過ぎ、窓の向こうの空へと向かっている。

「そうだな」
言った瞬間、逸人の表情が、歪んだ。

「奇跡・・・起こるものなら、起こってほしいよ、僕だって! 生きたい・・・まだ生きて、やりたい事があるんだ!!」
そのか細い体に、どこにそんな力が残っているのかと思う程、鋭い叫びが、蓮の耳に届いた。

「逸人・・・」
蓮は目を見開き、その先に有る、紅潮した逸人の顔を見つめる。
華奢な体から伸びる、細い首、小さな顔。

蓮は足を踏み出し、そっと・・・逸人の頭に手を乗せ、その顔を覗き込んだ。
同時に、逸人の細い腕が伸び、蓮の手首を掴む。

そして、その掴んだ逸人の手に、ぐっと、力がこもった。
逸人は、言った。
「蓮・・・」

くぐもるような、その声を聞きとろうと、蓮は顔を寄せる。
その顔に向かい、逸人は、細い声で、けれど力強く、言い放った。

「僕は、生きる。これからも生きる。必ず・・・!」






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